クルマはいじれないけど昔から車が好きだった。
免許を取ったけど、専門学生で一人暮らし、車など
所有出来るはずもなく、実家に帰って親父の中古の
サニーを乗り回して「ドライブ」という名の優越感
に浸っていた。
同級生の中には早々と車を購入する強者も現れた。
一度だけ運転させてもらった。
エンジンの重低音とターボの加速が衝撃的だった。
新車を購入するセレブな実家通いの同級生もいた。
MTの赤いセリカ、カッコ良かった。
社会人になり、未だ自分の愛車を持てない、当時の
私の愛車は会社の1.5tバネットトラック。
コラムシフトでガソリン車。以外に速かった。
そんな私を尻目に周りは煌びやかなスポーツカーを
乗り回していた。
走り屋の同級生の180。
ブルジョワな同級生のFD。
もちろんみんなMT車。
欲しかった。スポーツカー。
結局、3年ほどお金を貯めて自分が買ったのは、大人
しい中古のチェイサーアバンテ2.0(AT車)。
静かで高級車っぽいテイストがあったが、平凡で
退屈だった、独身時代の最初で最後のマイカー。
48歳になった今、無性にマニュアルのスポーツカー
に乗りたい、欲が止まらないのは何故だろう。
あの頃、飽きるほど乗っとけばよかった。
「趣味」というコトバが素敵に思えてきたのは、
歳をとった証拠なのかもしれない。