その昔、
某事務局は風のように席を立ち、その場を去った。
その数分後、頼んでもいないカキフライがテーブルに
運ばれてきた。
残したらアカン昇龍の食べ飲み放題なのに、
すでにお腹も時間も終わりかけやのに。
「これ、頼んでないよ!」
そう問いかけると、店員さんはこう答えた。
「先ほど帰られたお客さんからです!」
なーるーほーどー。
その、ひときわ脂が乗ったカキフライを見て、
思わずため息をつくと同時に、
「いらん事しやがって!」と、
その場にいた誰もが心から思った。
数年前の、今では笑える話。
30分ほど前に、次の店に行くために先におあいそした
別テーブルの連れの会計は1人4000円。
コース料理ではなかったからか、思いのほか安い。
こっちの4人は高くてもせいぜい1人5000円か。
何て油断してお会計を見ると、1人7000円超‼︎
こっちは酒豪が多かったからか?
どれどれ。
明細を覗き込むと、
突き出し12(4人なのに)
生10(4人で4杯しか飲んで無い)
ウーロン茶1(飲んで無い)
焼酎湯割り(頼んで無い)
なーるーほーどー。
真冬の中通りには、
何だか懐かしい、生暖かい風が、吹き抜けていた。